かなり長い時間更新が途絶えましたが、またつぶやいてみます。

古い話ですが、医師が一名増えて喜び、諸事情により解雇となり自己反省し、また新たな後輩医師に着任してもらい希望を抱いています。

さて、性善説、性悪説、みなさんはどちらが腑に落ちるでしょうか。

なるほど生まれてきた赤ちゃんは無垢なるものと感じるのですが、子供や大人でもどうしたらこのような性格になるのか不思議な人間がいます。環境の影響も当然あるでしょうが、苦境でも真っ直ぐ育つ方もおられるわけで、本人の資質によるところも大きいのでしょう。

しかし人間生まれついての善人というのも信じがたく、そもそも他の命を奪いながら動物は生きていくわけですから、人間も自己以外に迷惑をかけながら生きていく存在であり、ある程度は利己的でなければ生きていくことは難しいのです。これは自然界に暮らす野生生物と同様で、生かし生かされ、奪い奪われの過酷な環境で我々人間を含めた動物は暮らすわけです。ただ動物達は必要以上多くは奪わないし、多くを殺したりはしない、そこが底なしの欲望の壺を持つ人間と違うところですか。

たった一言の善、悪ということばで人間を論じることはできないと思いますが、孟子、荀子の生きた戦国時代の空気として、生きるのに必死でなりふり構わなかった人や、それでも節度を持って生きぬいた人、人それぞれの人間模様があったのではないかと思うのです。
人間はそんなに単純なものではなく、清濁あわせ呑みながら生きていくものではないでしょうか。どちらが強く表出しているかの違いだけのような気がしています。

やりたい放題の人生で透析患者となった方がおられます。
自己管理もできず、家族や医療関係者、国家に対して感謝の念もなく周囲に当たり散らす方がおられます。
悪ですか？
摩擦はありながら、それでも心に働きかけて意識が変化して行動へと結びつくとき、本人はいうまでもなく周囲の人間は幸福に包まれます。

残念ながら変化の生まれない方々もおられますが、反面教師として周囲への教訓となることが救いでしょうか。

自分も含め我々は厄介だけどやはり人間として、私（わたくし）のためだけではなく公のためにも生きぬいていきたいと思うのです。

2015年6月